日本教育大学協会
全国家庭科部門

運営委員会の挨拶


日本教育大学協会全国家庭科部門
令和 6 年度 運営委員長 野中 美津枝

 日本教育大学協会全国家庭科部門は、国立大学法人のうち教員養成系大学・学部で小学校・中学校・高等学校の家庭科担当教員養成に関わる大学教員および附属学校の家庭科担当教員によって構成され、現在、会員は約340名です。本会は全国を 8 地区に分け、各地区の代表で構成される常任運営委員会および運営委員会によって運営されています。これらの委員会にて検討・提案された方針に沿って、8 月に総会、全国大会を実施しています。全国大会では、家庭科教育に関わる重要かつホットな課題について講演会やラウンドテーブルなどを行い、会員の新たな知識の習得、会員間の意見交換・交流に努めています。
 AI(人工知能)や技術革新が急速に進展している現在、第6期科学技術・イノベーション基本計画では、我が国が目指すべきSociety 5.0の未来社会像を「持続可能性と強靭性を備え、国民の安全と安心を確保するとともに、一人ひとりが多様な幸せ(well-being)を実現できる社会」と表現しています。家庭科は、一人ひとりの子どもたちがよりよい人生を送るために、生活者の視点からウェルビーイングを追究する力を育む教科です。これまで家庭科は、ジェンダー、消費者、子ども、食育、金融教育、人生100年時代への対応等々、日本社会の重要な課題に向き合い、子どもたちに、新しい社会を切り拓く力の源となる知識や技能を届けてきました。Society 5.0を力強く推進することが求められている今、その基盤となる人としての関わりや生活の基本的な知識や技能を、理論に基づき、科学的、客観的に学校教育で学ぶことの重要性はなお一層高まっています。その学びは、人が成長・発達し新たな共生社会を構築するため、また科学や文化を創造していくためにも不可欠なものです。DX(デジタル技術による変革)の時代を真に人間らしい社会にするために、生活者の視点からウェルビーイングを提案し、実践していく家庭科の学びは、社会を担う人材育成に欠かせない視点です。
 即ち、家庭科は、Society 5.0を力強く推進するための基盤となる学びとして、初等中等教育において今後ますます貢献が期待されます。本会会員は、これらの社会的ニーズを自覚して、家庭科の学びを充実させるために日々励んでいます。
 日本教育大学協会全国家庭科部門をよろしくお願い申し上げます。
(茨城大学教授)
ページTOPへ ▲